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VMATとは

IMRTの次のかたち… "VMAT" (Volumetric Modulated Arc Therapy)

近年、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)の導入が進んでいます。IMRTでは、放射線感受性の高い正常組織とがん組織が近接している時などに従来の放射線治療以上にがん細胞に放射線を集中させることで治療効果をあげることができます。当院の放射線治療装置 「Synergy」はIMRTの進化系といえるVMATを搭載しています。原体照射に強度変調(IMRT)を取入れたVMATは従来のIMRTと同じ治療を短時間で行うことができます。

放射線感受性 : 臓器・組織により放射線に対する抵抗力(放射線感受性)が違います。放射線に弱いことを「放射線感受性が高い」と表現します。
原体照射:回転しながらがん組織の形状に合わせて照射することにより、回転中心のがん組織に線量を集中させる照射法を原体照射と呼びます。IMRT以前に活躍した照射法です。

VMATはさまざまな部位に対応可能

当院では2012年2月の前立腺照射を皮切りにさまざまな部位に対して施行され、2014年末までに81件の症例を完遂しています。そのうち78例の前立腺治療ではシード線源治療などと併用しないVMAT単独で、76-78Gyの高精度放射線治療を行っています。

VMATによる前立腺治療の線量分布イメージ 

線量分布とは放射線の集中分布をカラー表示したものです。青 < 緑 < オレンジ < 赤 の順で放射線が強くあたっています。前立腺直下にある直腸は放射線感受性の高い(放射線に耐える力が弱い)組織です。直腸を避けるために直腸部を凹ませた(かまぼこのような)線量分布になっています。従来の放射線治療では線量分布の一部を凹ますことが難しかったのです。


VMATによる前立腺照射のイメージ  

赤い部分が前立腺、赤紫は膀胱、青紫が直腸です。VMAT中の体表面でのX線照射野を白い影で表しています。黄色と水色は左右の大腿骨頚部を示しています。X線の照射野は複雑に形を変えながら前立腺を中心に回転運動をします。そのため前立腺組織部に放射線量が積算されて効果的な放射線治療が可能になります。