ひ尿器科
ひ尿器科は各種ホルモンの産生臓器である副腎、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道に加え、男性生殖器である前立腺、精巣、陰茎の疾患を取り扱っています。
主な疾患
- 高血圧の原因となることが多い副腎腫瘍
- 腎臓癌・膀胱癌・前立腺癌・精巣癌などの悪性腫瘍
- 強い痛みを伴うことが多い尿路結石症
- 頻尿、排尿困難、尿失禁などの症状をきたす前立腺肥大症、過活動膀胱、腹圧性尿失禁
- 膀胱炎、尿道炎をはじめとする尿路・性器感染症
- 男性に不妊の原因がある男性不妊症(精索静脈瘤手術その他)、男性性機能(勃起不全など)
また健康診断や人間ドックで指摘された血尿や尿潜血陽性さらには前立腺特異抗原(PSA)高値の方の精密検査も行っています。
スタッフ
外来診察表
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | 10時前予約 | 8:00~11:00 | 押野谷 非常勤 (受付 11:00 まで) |
※前田 (受付 10:30 まで) |
押野谷 前田 長野 |
押野谷 |
押野谷 非常勤 (受付 10:30 まで) |
新患・予約なし再診 | 8:45~11:00 | ||||||
10時以降予約 |
※予約制(初診:紹介患者のみ、再診:予約患者のみ)
当科における診療の特徴
当科では開設以来、地域住民の患者さんに積極的な急性期医療をご提供してまいりました。
(2013年度 平均在院日数: 9.1日)
腹腔鏡手術
当科では2005年8月以来、体の負担が軽い手術として腹腔鏡手術を開始しております。
腎癌や副腎良性疾患に対する腹腔鏡手術ですが、2015年4月末までの集計で、腎(尿管)摘除術112例、腎部分切除術13例、副腎摘除術24例、合計149例でした。これまでの大きな切開創で行う開腹手術と比較して術後回復は早く、数日で歩行開始・食事開始が可能であり、患者さんの様々なご負担を軽減いたします。
なお副腎疾患に関しては北陸3県で唯一の日本内分泌外科学会(副腎手術)専門医が2014年4月金沢大学より当科へ着任いたしました。これまで執刀術者として110症例以上の腹腔鏡下副腎摘除術経験実績を持っており(2014年5月現在)、手術の傷がおへそ部分の1か所のみで手術跡が目立たない単孔式手術も可能です。
ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術
2015年10月より当院で手術用ロボットが稼働開始いたしました。前立腺癌に対する手術治療として、「ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術」が保険診療で受療可能です。これまでの腹腔鏡手術で蓄積した経験を活かし、地域医療圏に求められる高度な医療を確かな技術で患者さんにお届けいたします。
尿路上皮癌に対する内視鏡手術
泌尿器悪性腫瘍では前立腺癌と並んで症例数の多い「膀胱癌」に関して、初回に治療・診断目的で行われることが多い「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBt)」は、患者さんをお待たせすることなく、ご都合にあわせた手術日程を調整可能です。
また上部尿路上皮癌(腎盂尿管癌)について、従来おこなわれてきた根治切除術に加え、腫瘍の状態によっては尿管鏡手術による患側腎尿管を温存しつつ腫瘍切除を行う治療手段もご提供いたします。
尿路結石
尿路結石(腎結石や尿管結石)に対する泌尿器内視鏡手術(尿路内視鏡下に結石破砕する手術)は、2015年5月現在でのべ300件と豊富な実績を背景に、患者さんに治療期間が短く早期社会復帰を目的とした「安心の医療」をご提供いたします。また尿路結石の大きさ・位置などによっては「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)」を選択することもできます。
前立腺肥大症に対するレーザー手術
2016年6月より石川県で初めて前立腺肥大症に対する光選択的前立腺蒸散術(PVP)を開始いたしました。PVPは内視鏡を用いて経尿道的に行う手術療法で、高出力のグリーンレーザーを照射し、肥大した前立腺組織を蒸散させて、尿路のつまり(閉塞)を取り除く治療法です。従来の手術法に比べて術中および術後の出血リスクが低く、抗血栓治療中の方にも比較的安全に行える手術です。また術後の回復が早いのも特徴です。手術に伴う費用は通常の保険診療でカバーされます。ちなみに米国の前立腺レーザー治療の約60%がPVPによるものとされています。この治療にご興味のある方、お薬の治療で十分に症状が改善しない方は是非ご相談ください。
下部尿路症状(頻尿・残尿感・尿勢低下・尿意切迫など)に対する包括的な治療アプローチ
下部尿路症状の代表である「過活動膀胱」や女性下部尿路症状の代表である「腹圧性尿失禁」に対して、切迫感を抑える薬物治療に加えて、生活指導に始まり骨盤底筋訓練や膀胱訓練など理学療法の指導に至る包括的な行動療法もご提供することが可能です。
患者さんへ
一般社団法人National Clinical Datebase(NCD)の手術・治療情報データベース事業への参加について
当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。
この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。
この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
1.NCDに登録する情報の内容
2018年4月1日以降、当科で行われた手術と治療に関する情報、手術や治療の効果やリスクを検証するための情報(年齢や身長、体重など)を登録します。NCDに患者さんのお名前を登録することはなく、氏名とは関係のないIDを用いて登録します。IDと患者さんを結びつける対応表は当科で厳重に管理し、NCDには提供しません。
2.登録する情報の管理・結果の公表
登録する情報は、それ自体で患者さん個人を容易に特定することはできないものですが、患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。
当科およびNCDでは登録する情報の管理にあたって、情報の取り扱いや安全管理に関する法令や取り決め(「個人情報の保護に関する法律」、「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。
データの公表にあたっては、NCDが承認した情報のみが集計データとして公表されます。登録するデータがどなたのものであるか特定されることはありません。
3.登録の拒否や登録情報の確認
データを登録されたくない場合は、登録を拒否して頂くことができます。当科のスタッフにお伝えください。
また、登録されたご自身のデータの閲覧や削除を希望される場合も、当科のスタッフにお知らせください。なお、登録を拒否されたり、閲覧・修正を希望されたりすることで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。
4.NCD担当者の訪問による登録データ確認への協力
当科からNCDへ登録した情報が正しいかどうかを確認するため、NCDの担当者が患者さんのカルテや診療記録を閲覧することがあります。
当科がこの調査に協力する際は、NCDの担当者と守秘義務に関する取り決めを結び、患者さんとIDの対応表や氏名など患者さんを特定する情報を院外へ持ち出したり、口外したりすることは禁じます。
本事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。
一般社団法人National Clinical Database(NCD)ホームページ外部リンク
さいごに
当科では経験豊富な医師3名が診察に当たります。わかりやすい説明と患者さん中心の診療をモットーにしております。安心してご相談ください。