診療科一覧

外科

2023年度は、総勢7名の常勤医師で外来と入院診療を担当しています。当院は、石川県よりがん診療拠点病院推進病院として指定を受けております。また、日本外科学会や日本消化器外科学会などの主要学会の専門医制度修練施設として認定されており、各医師もそれら学会の専門医・指導医資格を有し、消化器疾患、特に悪性腫瘍に対しては専門性の高い診療および治療を展開しています。乳腺悪性腫瘍(乳がん)に対しても、専門性を持った最新の集学的治療(手術、化学療法、放射線治療)を行っています。
さらには、近隣の金沢大学や金沢医科大学とも連携し、より高度な医療にも対応する場合もあります。

 

スタッフ

八木 雅夫
相談役
八木 雅夫
専門分野胸腔鏡手術、腹腔鏡手術、肺・消化器癌、乳腺・甲状腺癌、腹部救急疾患の外科的治療、化学療法
専門医認定/資格等日本栄養治療学会特別会員、日本腹部救急医学会特別会員
尾山 勝信
病院長
尾山 勝信
専門分野胸腔鏡手術、腹腔鏡手術、肺・消化器癌、乳腺・甲状腺癌、腹部救急疾患の外科的治療、化学療法
専門医認定/資格等日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本栄養治療学会認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、金沢大学医薬保健学域医学類臨床教授、日本消化器外科学会評議員
石井 要
主任部長
石井 要
専門分野胸腔鏡手術、腹腔鏡手術、肺・消化器癌、乳腺・甲状腺癌、腹部救急疾患の外科的治療、化学療法
専門医認定/資格等日本外科学会専門医・指導医、日本乳癌学会認定医・乳腺専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本栄養治療学会認定医・指導医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本腹部救急医学会認定医・教育医、精中医検診マンモグラフィー読影認定医、乳がん超音波検診判定者、看護師特定行為研修指導者、緩和ケアの基本教育に関する指導者
中村 慶史
部長
中村 慶史
専門分野胸腔鏡手術、腹腔鏡手術、肺・消化器癌、乳腺・甲状腺癌、腹部救急疾患の外科的治療、化学療法
専門医認定/資格等日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本内視鏡外科学会消化器・一般外科技術認定医(大腸)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本大腸肛門病学会専門医・指導医、ロボット支援手術術者資格(直腸)
山口 紫
医長
山口 紫
専門分野胸腔鏡手術、腹腔鏡手術、肺・消化器癌、乳腺・甲状腺癌、腹部救急疾患の外科的治療、化学療法
専門医認定/資格等日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医・指導医・日本消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、ロボット手術(da Vinci)certificate取得(術者)
山崎 祐樹
医長
山崎 祐樹
専門分野腹腔鏡手術、胃・消化器癌、腹部救急疾患の外科的治療、化学療法
専門医認定/資格等日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医、日本消化器病学会専門医、日本内視鏡外科学会消化器・一般外科技術認定医(胃)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本腹部救急医学会認定医、ロボット手術(da Vinci)certificate取得(術者)、日本ロボット外科学会Robo-Doc certificate(国内B級)、日本内視鏡外科学会ロボット支援手術プロクター認定(消化器・一般外科〔胃〕)、卒後医師臨床研修プログラム責任者
南 宏典
医長
南 宏典
専門分野腹腔鏡手術、大腸・消化器癌、腹部救急疾患の外科的治療、化学療法
専門医認定/資格等日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医、日本消化器病学会専門医、日本内視鏡外科学会消化器・一般外科技術認定医(大腸)、日本大腸肛門病学会専門医、ロボット手術(da Vinci)certificate取得(術者)
冨田 瑞歩
医師
冨田 瑞歩
専門分野外科一般

外来診察表

受付時間
午前 10時前予約 8:00~11:30 尾山
八木
山口
山崎

石井(乳腺科)
中村

冨田
石井(乳腺科)
山口
中村
石井(乳腺科)
尾山
山崎
石井(乳腺科)
新患・予約なし再診 8:45〜11:30
10時以降予約

主な対象疾患

  • 消化器系悪性疾患(食道、、大腸、肝臓、胆道、膵臓など)
  • 消化器系良性疾患(胆嚢結石症や虫垂炎、憩室炎、痔核など)
  • 乳がんを中心とした乳腺疾患
  • 鼡径ヘルニア(いわゆる脱腸)および腹壁ヘルニア
  • 腹部を中心として救急疾患
  • 気胸や肺癌などの呼吸器疾患
    など

治療の内容とモットー

治療内容は手術、化学療法(抗がん剤治療)、緩和療法などを外科全体で行っています。年間の総手術件数は約800件前後で、そのうち全身麻酔手術は700件程度になります。
悪性腫瘍に関する治療方針は、各種ガイドラインなどを参考に、消化器内科や放射線科との合同検討会(がんボード)にて手術適応から術式、その他の治療方法の可能性などを検討して決定しています。
また治療法を決定する際には、治療を受ける方とその家族の意向を最大限に尊重しています。診療においては、わかりやすい説明を行うことを心掛け、納得いただいた上で治療を受けて頂きます。手術の際には、各疾患別の標準的な治療計画(クリティカルパス)を術前にお渡ししますので、その計画に沿って入院生活を安心して過ごすことができます。

当科の特色

1. 低侵襲手術:

体への負担を少なくした低侵襲的な治療法を積極的に導入しています。
胃や大腸疾患、胆嚢結石症、鼡径ヘルニアに対しては主に腹腔鏡下手術で行っています。また近年では、胃粘膜下腫瘍に対しては内視鏡手術との合同手術(LECS)も行っています。

ロボット支援化手術について

ロボット手術は、これまでの開腹手術や腹腔鏡手術の欠点を補い、精密な手術を可能にするとされています。当科でもいち早く胃悪性腫瘍手術に対してロボット支援化手術を導入し、安全かつ確実な手術をおこなっています。また、2022年より結腸癌に適応を広げ、2023年4月時点では石川県内唯一の施設としてこれまで15例の手術が行われました。2023年度からは、直腸癌に対しても導入します。

2. 悪性腫瘍に対する集学的治療

進行癌に対しては、周術期化学療法を用いた治療方法を導入し、治療成績の向上に努めています。一つは、術前に化学療法を行ったのちに、低侵襲な手術を行うことで体への負担軽減を図っています。また、遠隔転移(他臓器への転移)を有する症例に対しても、適応となる症例には、化学療法を導入し切除可能とすることで、予後の改善に努めています。残念ながら切除の対象とならない症例においては、症状緩和を目的とした姑息的手術(バイパス手術など)を低侵襲に行うこともあります。

手術の適応とならない悪性腫瘍症例(切除不能進行再発癌)に対しては、診療ガイドラインやエビデンス(治療効果の証拠の有無)を重視した化学療法や放射線治療を行っています。心配とされる副作用に対しては、最新の支持療法を用い対応します。
化学療法は、外来での治療を優先して行うことで、患者さんの生活の質を保つようにしています。
また当院には、日本看護協会認定がん化学療法認定看護師が在籍しており、連携することでチームとして治療を支えています。また消化器内科と連携し、消化管ステント留置(胃十二指腸や大腸、胆管など)などの症状緩和治療や、放射線科と連携し放射線治療を併用するなどの集学的治療を行っています。

3. 乳がん診療

乳癌は近年増加傾向にあり、当科の手術件数も10年前と比較して3倍程度増加しています。治療は多岐にわたり、治療期間も長期となることが多い疾患です。それだけに、診療にはより専門性が求められております。当院は日本乳癌学会認定施設(県内4箇所のみ)に認定されており、同学会認定の指導医および日本看護協会認定乳がん看護認定看護師を中心に専門性の高い診療、および症例個々に応じたキメの細かいケアを行うことを心掛けています。
また、乳がん患者会(「春風の会」)発足から10年以上が経過しており、活発な活動を行っています。

4. 栄養療法

当科の特徴として、各治療と並行して積極的な栄養管理を遂行していることにあります。栄養管理は、疾患に対する治療の下支えとして重要であり、治療効果、治療成績の向上には欠かせないとされています。当院は20年以上前から栄養サポートチーム(NST)が全科横断的に活動していますので、連携して栄養管理を行っています。また、悪性腫瘍に対し侵襲が大きいとされる手術を行う際には、経腸栄養チューブを挿入して、早期からの経腸栄養を行い、低栄養を予防しています。その他、術後の栄養管理や化学療法の支持療法としての栄養管理、緩和領域での栄養管理も積極的に行っています。
さらには胃瘻が造設できない症例に対して積極的にPTEG(経皮経食道的胃管挿入術)を行っています。

5. 緩和ケア

悪性腫瘍は、治療期間が長くなることがあります。診断されたその時から、症状の緩和や気持ちに寄り添うことが重要とされ、現在ではそれも緩和ケアであるとされています。当科でも、終末期のみならず、悪性腫瘍と診断された時点から、積極的に緩和ケアを行い、症状緩和や闘病を支えるようにしています。院内には、緩和ケアチームが活動をおこなっており、連携してケアに当たっています。

6. 鼡径部ヘルニア(詳細はリンク先を参照)

成人鼡径部ヘルニア(いわゆる脱腸)に対する手術は、年間100例前後行っています。術後の痛みや違和感が少ないとされる緊張の掛からないメッシュを用いて修復を行うことを原則にしています。2014年からは、従来の手術方法に加え、腹腔鏡下修復術も導入しており、現在ではそのほとんどが腹腔鏡下に行っています。入院期間も、術前を含め3-5日間程度であり、早期に通常の生活に戻ることが可能となります。

7. 救急疾患

当院は、日本腹部救急医学会の認定施設(県内4箇所のみ、北陸地方では9施設)であり、24時間体制で腹部を中心とした救急疾患(消化管穿孔、虫垂炎、急性胆嚢炎、腸閉塞など)に対応しています。救急疾患においても、適応がある症例には腹腔鏡手術を導入するなど、適切に治療方法を検討し、他科とも連携しながら迅速に治療を進めています。

診療実績

  2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
胃がん手術
(腹腔鏡手術)
51
(14)
43
(7)
48
(16)
51
(9)
41
(10)
40
(19)
46
(19)
50
(30)
結腸がん手術
(腹腔鏡手術)
59
(29)
59
(27)
48
(20)
47
(30)
65
(49)
62
(46)
68
(44)
69
(47)
直腸がん手術
(腹腔鏡手術)
14
(12)
17
(15)
17
(12)
10
(9)
18
(17)
9
(7)
8
(7)
7
(7)
乳がん手術
(乳房温存手術)
43
(29)
51
(29)
40
(29)
60
(35)
69
(44)
57
(35)
74
(41)
79
(44)
                 
鼠径部ヘルニア
(腹腔鏡手術)
97
(66)
100
(75)
100
(75)
116
(76)
118
(84)
87
(59)
103
(75)
121
(100)
胆のう摘出術
(腹腔鏡手術)
70
(61)
76
(64)
86
(77)
98
(84)
95
(83)
93
(86)
102
(89)
105
(101)
虫垂炎手術
(腹腔鏡手術)
59
(19)
49
(38)
47
(42)
74
(68)
68
(56)
86
(82)
59
(53)
64
(63)

患者さんへ

入院診療に際して

手術に必要な検査は、可能な限り外来で行います。
手術の日程はあらかじめ決定した上で、原則として手術の前日(手術が月曜日の場合は前週の金曜日)に入院していただきます。
手術後は、早期からの離床やリハビリをおこなっていきます。
化学療法導入(初回時)の際は、入院にて行うことをお勧めします。

外来診療に関して

予約診療を原則としていますが、緊急性がある場合などはその限りではありません。診療スケジュールや担当医師は、下記を参照してください。
再診では、術前術後の患者さんや、悪性疾患の再発患者さんで治療中の方などを中心に診療をおこなっています。
状態が安定している患者さんや、手術から長期間を経た患者さんに対しては、近隣の連携医療機関への紹介をお願いすることがあります。

当科で診療を受けられる患者さんへ

専門医制度と連携したデータベース事業(NCD)への参加について

当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当院が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。詳しくは下記NCDの患者さん向け資料をご覧下さい。

患者さん向け資料

当科へ紹介をしていただける先生方へ

当院では地域医療連携室を設置し、患者紹介を円滑に進めております。紹介の際には、診療情報提供書を作成していただき、連携室までお電話かFAXをしていただきますと、予約を取らせていただきます。当科では、上記の内容の診療に当たっておりますので、参考にしてください。

不明な点、ご質問等がございましたら、外科外来スタッフまでお問い合わせください。