白山石川医療企業団ロゴ

企業長挨拶

令和2年以来、コロナ禍という暗雲が世界中を覆い、国内においてもその対策に終始しました。当企業団も地域住民のために最大限の対応を心がけてまいりました。その中で私ども医療従事者に対し、地域の皆様から温かい激励のお言葉、身に余る感謝のお言葉、ご支援を頂きました。心から御礼申し上げます。ここ最近の感染状況から、まだまだ先が見通せない日々が続き、さらにはコロナとの「共生」を覚悟しなくてはいけない、先の長い戦いだと思います。われわれ企業団として気を緩めることなく、皆様の明るい生活の保持に少しでもお役に立つことができますよう今後も最善を尽くしたいと思います。
このコロナ騒動で明らかとなった事象の一つが「医療の脆弱性」です。日本の医療は世界一だと信じてきたわたくしにとって、マスコミから頻繁に流布される「医療逼迫」「医療崩壊」の言葉には複雑な思いを抱きました。医療資源の問題なのか、われわれ医療従事者の倫理観の問題なのか。そもそも医療の本質の一つに「危険性と隣り合わせ」が挙げられます。コロナとの共生の中で、いろいろな視点からの検証が必要であり、今後出現するであろう新たな「災害」の危機管理に生かすべきと思います。また、このコロナ禍の中で一般診療への悪影響も大きな問題となっております。外出控えのなかで生活習慣病の悪化、がんの発見診断の遅れ、暗い世の中を反映したこころの病の増加、さらにはフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)の進行、認知症の増加などが挙げられます。われわれ白山石川医療企業団として、コロナ前からの問題点、特に高齢社会への体制強化に加え、これらの諸問題についても対応すべく新たな医療介護体制の構築を目指してまいります。

令和4年2月 白山石川医療企業団
企業長 卜部 健