検査室
検査室は、診療前検査を行い、正確・迅速な検査報告に努めています。
検査には尿検査、血液検査、微生物検査、輸血検査、病理検査などの検体検査と、心電図など患者さんに直接接して検査する生理検査があります。
検査室は、検査医1名、臨床検査技師27名(男性4名、女性23名)、検査助手4名のスタッフで24時間対応(日直、宿直)しています。
業務は、1階 生理検査部門と2階 検体検査部門・病理検査部門に分かれています。
生理検査部門は、心電図検査、心臓カテーテル検査、心臓リハビリ、呼吸機能検査、超音波検査、脳波検査、筋電図検査、聴力検査などを行っています。
検体検査部門は、生化学・免疫検査、血液検査、尿一般検査、微生物検査に分かれて検査しています。外来、入院、健診検体の迅速な検査を行っています。
生理機能検査
生理機能検査は10名で総合健診センターを含め多様な検査を行っています。
心電図検査
不整脈や心筋梗塞、狭心症などを早期に発見します。
呼吸機能検査
肺活量や一秒率など肺機能を調べます。喘息や肺の病気の診断に役立てます。
心臓超音波検査
心臓の筋肉や弁の動きをみます。時間は大体10~20分程度です。
脳波検査
脳の働きを調べる検査で頭に19個の電極を着けて検査します。失神、意識障害時、認知症を疑う時には脳波検査を行います。
筋電図検査
力が入りにくい、手足に痺れがある時や、糖尿病の末梢神経障害の有無を調べる時には筋電図検査を行います。
検体検査
検体検査(一般、生化学、免疫、血液、輸血、微生物)は11名で行っており、日々迅速に結果をお知らせできるよう取り組んでいます。
一般検査
尿中の蛋白、糖、潜血などの有無や細胞、結晶の分類をします。便の潜血、寄生虫の有無を調べます。
血液検査
血液中の細胞(白血球、赤血球、血小板)の数を調べ、貧血や、出血傾向の有無を調べます。また、顕微鏡で白血球の形態を調べます。
生化学・免疫検査
自動分析機により血清中の電解質、酵素、ホルモン検査、腫瘍マーカーを調べます。
輸血検査
安全な輸血を行うため、血液型、不規則抗体検査、交差適合試験の検査をしています。また、血液製剤の適正使用、管理を行っています。
微生物検査
患者さんから採取した痰や便などの検体から感染症の原因となる微生物(細菌やウイルスなど)を見つけ、薬の効果を調べます。また、院内感染対策チーム(ICT)や抗菌薬適正使用チーム(AST)の一員として、院内で薬剤耐性の菌が蔓延しないよう活動しています。
病理検査
組織診、細胞診、術中迅速病理診断、病理解剖を常勤病理医1名、検査技師5名で行っています。患者さんから採取した臓器や尿、痰などから検査技師が標本を作製し、病理医が診断しています。病理解剖も行っています。
組織診
ポリープや手術で切取った臓器などを顕微鏡で観察します。
細胞診
尿や痰などに癌細胞が含まれていないかを調べます。
病理解剖
臨床診断の妥当性、治療の効果判定、直接死因の解明について調べます。
院内のチーム医療での活動を行っています
- 病棟糖尿病指導:毎週木曜日16:00から1時間程度、血糖値について説明しています。
- 栄養サポートチーム:回診参加と身体計測をしています。
- 心臓リハビリ指導:毎日午後に、心臓機能を高める指導を行っています。
- 感染対策チーム・抗菌薬適正使用チーム:回診参加と菌の検出情報等を提供をしています。
- WST:回診参加と検査値提供をしています。
- DMAT:災害時にチームを派遣しています。
精度管理や臨床研究について
公立松任石川中央病院検査室では、日常診療の質向上を目的として、臨床検査法の開発・改良や異常値が発生する機序の解明など、さまざまな研究を行っております。また信頼性の高い検査データを提供するために日々精度管理を実施しています。これらの精度管理や研究活動の基礎となるのが、臨床検査を終了した残余検体・検査記録の再利用です。残余検体・検査記録の再利用に当たっては「臨床検査を終了した検体の業務、教育、研究のための使用について-日本臨床検査医学会の見解-」を遵守し、公立松任石川中央病院倫理委員会承認のもとに行っております。
これまでに、残余検体・検査記録を用いた研究から多くの知見が得られ、これにより、臨床検査法は大きく進歩し、新たな検査法の意義が確立され、臨床検査医学の発展、診療の質が向上に繋がってきました。当検査室では、承認された研究計画に基づき、臨床検査を終了した残余検体・検査記録の一部を再利用することにより、臨床検査法の改善・新たな確立を行い、医学の発展に寄与したいと考えています。
本研究は、臨床検査後の廃棄予定の残余検体および検査記録を使用するため、患者さんの生命・健康に影響を及ぼすことはありません。氏名・生年月日・住所・電話番号・ID番号などの個人情報はすべて匿名化されてから解析されますので、個人情報が漏れることはありません。研究成果は、医学の発展のために学会発表や学術論文発表などをさせていただくことはありますが、その際も個人の特定が可能な情報はすべて削除いたします。また、研究対象に該当するか否かにより、実際の診療内容に影響することはありませんし、研究にご協力いただけない場合でも診療上の不利益を受けることはありません。
なお、臨床検査を終了した残余検体・検査記録の臨床研究への利用にご承諾いただけない患者さんは、お手数ですが、検査時に担当者までお申し出くださるか、検査室にご連絡ください。
資格取得【臨床検査技師】
専門の認定取得を目指しています。
細胞検査士 | 6名 | 超音波検査士 | 3名 |
緊急臨床検査士 | 10名 | 2級臨床検査士 | のべ16名 |
認定認知症領域検査技師 | 1名 | 認定病理検査技師 | 3名 |
認定輸血検査技師 | 1名 | 医療安全管理者 | 2名 |
日本糖尿病療養指導士 | 4名 | 栄養サポートチーム(NST)専門臨床検査技師 | 1名 |
BLSプロバイダー、インストラクター | 2名 | 心臓リハビリテーション指導士 | 3名 |
上級災害医療救護通信エキスパート | 1名 | 心血管インターベンション技師 | 2名 |
有機溶剤作業主任者 | 4名 | 特定化学物質、四アルキル鉛技能作業主任者 | 5名 |